ふたりブログ

毎回とあるテーマでつづります

熊本旅行

テーマ【教会】

 

 8月、熊本旅行に行ってきた。一人で2泊3日。といっても火曜日夕方に着いて木曜日の朝一便で戻ったので実質1日半といったところか。めぼしいグルメはほぼ網羅したと思う。一番印象に残ったのは天草へドライブしたことであった。

 最近自覚して、きっかけもよく覚えていないが、教会が好きだ。無宗教の自分でも神聖な印象を受けるというのもあるし、祭壇、十字架、聖書を描いた絵画、パイプオルガン、ステンドグラスなんかは、日本の寺や神社にない、欧州の気配を感じられる。たぶん、どこか情緒を超えた静寂的な意味と、そこでの荘厳な雰囲気が好きなんだろうと思う。少し似ているところで言うと、もっとも日本の寺や神社の雰囲気も嫌いじゃない。彼岸へ行く人、帰る人が集まる場所。

 天草にある崎津という場所は、日本のキリスト教の歴史にとって、大きな意味のある集落のようだ。鎖国時代、教会は潜伏キリシタンにとっては世界との結合点。信仰が禁止されている中、彼らが知識を入手する窓口は国に一つもない。そこでの生活については天草キリシタン*1で観ることができる。

 頭が固いもので、"オリジナル"だとか"当時の~"という言葉に弱い。現在の崎津教会は1934年に再建されたものである。"近代になってから復元しました"という言葉のせいで期待ほどではなかった。ただ、教会内部は畳が敷いてあって、これはこれで趣があって良かった。解説は崎津集落ガイダンスセンター*2で楽しめる。

 感動したのは、潜伏キリシタンは自分たちの信仰を守ろうと必死だったこと。なにせ鎖国中なのでキリスト教は禁教でご法度。地形の複雑な天草諸島に身を隠して信仰を続けたのだろう。今では天草五橋によって主要な島々は繋がっているが、たしかに潜伏にはうってつけだと思った。島と言ってもほとんどが険しい山に覆われているため、逆に集落があることに驚いたくらいである。これは現地へドライブしたことで身をもって実感できた。

 というわけで潜伏キリシタン関連遺産の町、天草を楽しんできた。高確率で出会えるイルカも見たいなら1泊2日がベター、皆様も是非。

 

2019.09.08 T.Y.