ふたりブログ

毎回とあるテーマでつづります

中西哲生さん

お題「今日の出来事」

テーマ【講演】

 

とあるカンファレンスに参加した。テーマは「パフォーマンスから考えるサッカー医学」ということで、指導者、ドクター、トレーナーの三者からの講演を聞いた。そのうち指導者として登壇したスポーツジャーナリストの中西哲生さんから得たことを書こうと思う。

サンデーモーニング等、サッカー解説者として知られる中西哲生さんには指導者の一面もあり、2010年からプロサッカー選手のパーソナルコーチをしている。長友佑都からパーソナルコーチをスタートして、次に永里優季、次に久保建英を小6から教えていて、最近はピピこと中井卓大にも指導をしているそうである。パーソナルトレーニングは、基本的にマンツーマンで、選手各々に対してオーダーメイドで、個人が最大限の力を発揮することにフォーカスしている。ジャーナリストということもあってか、中西さんの指導におけるテーマは「言語化」で、論理的になれば再現性が高まるということをおっしゃっていた。言語化については私が最も課題としていることだ。新たな知見や、それをうけて自分の心がどう動いたかを、自分の言葉で残す訓練はこのブログを通じて継続して続けていきたい。

中西さんは指導における言語化の大切さを説いてくれたが、同時に「伝える前にコップを上に向けさせる」ことも強調していた。どれだけ良い水を持っていても、コップが下を向いていて注ぐことができなければ意味がない。逆にコップを上に向けることができれば、どんなことも素直に受け入れ、吸収するようになる。そのために、興味を示してもらう術を考えておかなければならない。中西さんは大学で講義を行なうとき、「ここはテストに出るぞ」というと、どんなに寝ている学生も一気に視線を向けるようになると言っていた。そこまで効果的なマジックワードは日常ではそう簡単に見つかるものではないが、自分なりのキーワードは持っておいたほうがいいかもしれない。

中西哲生さんは元サッカー選手で、サッカーがテーマの講演会で、サッカー指導についてのお話をしていたのだが、その内容は他のスポーツはもちろん、仕事や私生活においても共通するもので、かなりタメになった。このように本質的なお話ができる中西さんは、本はサッカー以外のものしか読まないと言っていて、実際にドリブルの姿勢を楽器の演奏者から取り入れた例も講演の中で紹介してくれた。様々な情報を多面的に取り入れていくことについては、先のブログ*1で相方が書いた「つまり日々の小さな知識の積み重ねが、間接的に"使える"知識/技術を修得する際に役立つのではないか。」にも通ずるところであろう。あらゆる物事に対してコップを上に向け、情報という名の水を自分で注ぎ入れる。その水を、なるべくこぼさないように言語化して相手へ渡す。講演をうけて、そんなことを思った。

 

2019.02.03 T.Y.