ふたりブログ

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プラネタリウム

テーマ【プラネタリウム

   先日、池袋でプラネタリウムを楽しんできた。
 公式HPでは、サンシャインシティのビル屋上にあることになっているが、プラネタリウム自体は建物の中にあるので、屋上というよりはビル最上階と言った方がしっくりくる。受付で、いくつかあるプログラムのうち、"南極ヒーリング"のチケットを買って、上映までロビーで待つ。開始時間が近付いて、いよいよあの天球の中に入ったのだけど、これが思いの外小さい。子供の頃の記憶では、別世界に招待されたような気分だったのに、背が伸びたのか、感受性が縮んだのか、こんなもんだっけ、という印象。ともあれ席に座って、ついに上映。
 結果として、かなり楽しめた。『上映中に2回腕時計を見たら糞映画』と聞いたことがあるが、1時間弱の上映中、時間が気にならなかった。内容はタイトル通り、南極の星空がメインとして映し出され、星座の解説のようなナレーションが入る。いくつか面白いと思えることがあったので、覚えている範囲で挙げると、


・天の川の中 、南十字星の近く、不自然に真っ暗な部分がある。これはコールサックと呼ばれるガスや塵などで、星を覆ってしまっているのだそうだ
北極星はあっても南極星はないらしい。大航海時代の船乗りは、代わりに南十字星を星標に方位を知ったとのこと
・その南十字星だがなかなか見付かりにくい。ヒントになるのがケンタウルス座の前脚(に該当する明るい星)だそうな


という感じ。こんな天体雑学を聴きながら星空を眺めていると、気付いたら時間が過ぎていた。
 振り返って思うのは、なかなかロマンチックな体験だったなということ。京都でもローマでも、"昔のまま"を売りにした名所があると思うが、星ほど変わってないものもないだろう。なにせ言葉通りの意味で『天文学的な』年月を経て変わっていくので、"先週"と"千年前"に大した違いがない。昔話に残っている星と、同じものを見ることができるのだ。そして逆に遥か遠い未来についても同じことが言える。自分が死んでしまった後に生まれる知らない誰かも、今日と同じ星*1を眺めるのである。
 そうとわかれば、作り物ではなく本物をみてみようと思ったが、生憎東京の夜空は星が見えにくい。どこかで休みをとって星の見えるところまで行ってみよう。"来週"でも"十年後"でもいいけど、少なくとも自分の生きているうちに。

 

2019.03.03 T.N.

*1:文章の流れを切りたくなかったので注釈で言うが、厳密には『"ほぼ"同じ』