ふたりブログ

毎回とあるテーマでつづります

サッカー観戦記 inドイツ(後編)

テーマ【ロッベン

 

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試合前にスターティングメンバーが発表されたあと、ベンチメンバーがアナウンスされた時、最後にロッベンの名前があがった。彼が試合に出場する可能性がまたひとつ高まった。

相手は原口元気擁するハノーファー96ハノーファーは降格寸前の一方で、バイエルンミュンヘンは優勝争いをしているチーム。想像通りバイエルンワンサイドゲームで、前半2-0を終えて後半を迎えた。しかし後半早々、見せ場がまったくなかったハノーファーがVARでPKを獲得。これを決めて2-1になったからは状況が変わり、試合は硬直した状態が続いていた。その間ロッベンはゴール脇でウォーミングアップをしていて、私は彼をずっと眺めていた。

硬直したゲームを打開すべくバイエルンが切った交代カードは元フランス代表リベリであった。彼はロッベンがウォーミングアップをしている間も特に体を動かさず、ただ試合を見ていただけだった。ロッベンに肩入りしている自分としては憎しリベリと思っていたが、なんとそのリベリが交代早々に点を決めたのだ。選手たちが歓喜している中、一目散にベンチへ向かったのは我らがロッベン。彼としては復帰初戦となるので、おそらく2点差がついたところで出場するという取り決めがあったのだろう。すぐに試合の準備をして、ついにピッチに登場したのだった。スタジアムがロッベンコールで一色になり、私は自分ごとのように感極まってしまった。

そして試合終了間際、絶好の位置でバイエルンフリーキックを得た。すると再びロッベンコールが。「ロッベンに蹴らせろ!」みたいな雰囲気は、この日1番の大歓声であった。それに応えるようにロッベンはボールをセットした。大勢のサポーターが固唾を飲んで見守ったフリーキックであったが、ボールはゴールから大きく逸れてしまい、そのまま試合終了のホイッスル。スタジアムがこの日1番落胆した瞬間であった。

私が観戦した翌週の試合がシーズン最終節であった。ここでリベリとロッベンそれぞれがゴールを決めて勝利に貢献。バイエルンミュンヘンの国内リーグ7連覇に華を添えたのであった。

 

2019.06.30 T.Y.