ふたりブログ

毎回とあるテーマでつづります

芝生

テーマ【芝生】

 

 スポーツをやっていないので、自分にとっては「庭の休憩所」というイメージ。広大な庭園を歩き回って、疲れたら芝生の上で、座るなり眠るなりしてください。というのがベストだが、"芝療養中"なんて看板があって、自由に入れないところも多い。そんな中で、岡山後楽園の芝生は、出入り自由で良かったなと思う。

 行ったのは数年前の3月。天気は晴れ(岡山は大抵晴れ)。JR岡山駅を降りて、後楽園までは歩く。公称「徒歩25分」なので、少なくとも 2kmくらいはあるだろうと思う。そこそこ歩いて、正門から入ると、まず最初に見えるのが芝生で、平日だったからか、人はまばら。レジャーシートを敷いて、ピクニック感を出している家族もいれば、両手を広げて寝転がっているおっさん(碧眼の観光客)もいる。田舎の河川敷のような状態に、とても強い安心感を得る。俗に言う「インスタ映え」するスポットではないようで、芝生近辺はカメラもなく、観光地らしいところは外国人の姿が見えることくらいか。日曜日の土手のような長閑さがある上、野球ボールが飛んでくる心配もなく、芝生はこれ以上ないほど整えられていて、見える景色は全て国の特別名勝である。非常に贅沢な休憩所と言えよう。

 長閑さを堪能すべく、早速、リュックサックを枕に寝転んだが、陽射しの眩しさにすぐに起き上がった。とても寝ていられない眩しさだ。だがそういえば、あちらに寝転がっていた外人がいなかったか?何故奴は平気なのか?やせ我慢か? 見るとおっさんはサングラスをしていた。結局、私はリュックサックを背にしてのんびりと座るにとどめることとした。その後、しっかりと庭園を見て回りはしたが、晴れの芝生の気持ちよさに優る感動はなかった。

 『贅沢とは居心地のいいこと』とココ・シャネルが言ったそうだが、晴れた日、芝生の上でゆっくりすることはこの上ない贅沢だと思う。それが美しい庭園の中なら尚更だ。いつか後楽園の芝生の上で、ゆっくり寝転んでみたい。サングラスを忘れずに。

 

2018.07.01 T.N.

 

次回はテーマ【名選手】