ふたりブログ

毎回とあるテーマでつづります

先生

テーマ【先生】

 

 "良い先生"として思い浮かぶのは、中学1年生の時の理科の先生だ。その人は、勉強嫌いでも興味を持つような実験をさせてくれたり、面白い科学の話をしてくれたりした。少し前まで小学生だった子どもにとって、「なんだか面白そう」という魅力は、授業内容以上に重要な面があると思う。

 何故かといえば、僕らはなんとなくの印象だけで、その教科への出来/不出来が決まるところがあるからだ。まず、好きか嫌いか。そこで嫌いになってしまうと、授業にも集中できないし、理解る気にもならない。学ぶ内容自体は、論理的に非常に複雑な訳ではないのだから、思春期の学業成績というのは、モチベーションによるところが大きいと思う。
 僕自身、理科がそこそこできたのは、この先生のおかげだと考えている。先生がしてくれたのは例えば、以下*1。これなら怠け者の僕も、興味を持って、勉強する気にもなるというものだ。

1.「画用紙を丸めて作った筒の上にノートを何冊乗せられるか?」実験

生物の時間。画用紙は各班に数枚ずつ渡されて、筒はたくさん作っていい。どんな形で筒を作って並べれば、より多くノートを乗せられるのか、最も丈夫なやり方を考える。答えがすなわち、維管束*2の形で、生物(自然)の合理性を学ぶ。

2.「死んだら星になる」お話

僕が死んで、火葬ということになると、たんぱく質だの炭素だのという、"僕を構成していた色々"は煙と一緒に地球上を漂うことになる。"僕を含んだ地球"はそのうち太陽に飲み込まれて、太陽はそのうち超新星爆発で宇宙のチリになる。宇宙のチリはそのうち周囲を巻き込んで核融合を起こし、星となる。。。めぐり巡って、「死んだら星になる」ということ。

 

 中学生相手なら、『生徒に興味を持たせる』ことのできるのが良い先生だ。学校というシステムでは気付きにくい、知る楽しさ・学ぶ楽しさを生徒に伝えられる、そんな先生が、未来ある子供たちを学問のスタートラインに導いてくれるのだと思う。

 

2018.05.27 T.N.

 

次回はテーマ【ロボット】

*1:今思うと、厳密にはどこまで正しいか……とっつきやすさ優先で、厳格な科学でない可能性もあるかも

*2:維管束