ふたりブログ

毎回とあるテーマでつづります

デパート

テーマ【デパート】

 

 スーパーでもショッピングモールでもない高級感。それがデパート(百貨店)なのだと思う。そのデパートが最近、次々と閉店しているとのこと。色々と原因はあると思うが、種々様々な人たちが、各々の価値観を持っている結果だとすれば、それは必ずしも暗いばかりのニュースではない。

 日経や東洋経済の記事をざっと読むと、閉店の大きな原因はスーパーでもショッピングモールに客をとられていることのようだ。スーパー等がここ最近、急に勢力を拡大したわけでもないのだから、消費者の側に変化があったのだと思う。自分の両親の世代では「デパートで高級感のあるお買い物」がある意味社会的なステータスになっていた時代だろう。そしてまた、情報の流れがTV・ラジオ -> 消費者 への一方向で、多くの人が「欲しいもの」について同じ価値観を持っていたのだと思う。今現在でも「見栄」や「ステータス」の考えはあるけれど、僕のような庶民もこんな形で情報発信ができるようになったこともあって、価値観はかなり多様化してきていると思う。「みんな」が憧れていたデパートは、「好きな人だけ」が行くところ、になったんじゃないだろうか。

 価値観の多様化、デパート以外にも例がある。「若者の○○離れ」というやつ。車、新聞、結婚、酒というのが挙げられるらしいが、「こうすることが幸せ」「これを買うのが幸せ」というものが、今はどんどん崩れてきている。例えばお酒。今じゃ人に無理矢理勧めるのはちょっとした社会問題だ。自分が下戸なので、新入社員の時は「俺の酒が飲めねぇのか」タイプがいるんじゃないかとビクビクしながら飲み会に参加した。幸い、上司・同僚に恵まれてそんなことはなかったけれど、30年前ならそううまくはいかなかったろうと思う。

 最初に戻ってデパートの話。閉店は寂しいことだが、上に書いたとおり「画一的な価値観がなくなってきている」と捉えれば、それは"良いこと"でもある。多様な価値観を認め合って、異なる価値観の人がお互いを尊重する、そういう社会の土壌になり得ると思うから。

 

## 追伸:デパートに行かないのは単に「金がない」というのも大きな原因と思う。とはいえ、日本の貧困を語るのは今の私では手に余るので……

 

2018.04.15 T.N.

 

次回はテーマ【ハンカチ】