ふたりブログ

毎回とあるテーマでつづります

文系が語る

テーマ【数学】

 

元々は数学が得意であった。大学の数学科を目指していたくらいである。ただ、それを高校の数学教師に相談したところ、教員以外の進路はないと諭されてしまう。そんな訳はないと思うのだが、当時の自分はそれを真に受けた。悩んだ結果、金融や経済にも数学が大いに活かせるということを知り、大学は文系の道を進むことに。もちろん選択科目で数学を受験して入学した。
実際のところ、数学受験で入学した人は、ほんのひと握りしかいなかった。一方で、大学の講義も人気商売みたいなところがあり、「私の授業では数学を使いません」を売り文句にしている講師が多かった。それでも、ゼミ選びでは計算主体でやっていそうなところを回った。その中で、金融工学を学ぶものに入ったのだが、ここは最も少人数なゼミであったと自負する。1学年で1000人以上在籍しているにもかかわらず、私のゼミにはたったの3人しかいなかったからだ。これは言い訳になってしまうが、通常10~20人で構成されるところ、3人だけではモチベーションを保つのが難しい。結果的に日経新聞を読めるくらいの知識は得られたが、肝心の数学力はさほど磨かれることなく今に至る。振り返ると、高校の時の初心を忘れずにもっと真面目に勉強しておけばよかった。
大学を卒業してからはや5年が経つ。果たしてこれまでに学んだ数学って必要だったのだろうか。工場で生産に関わっていたときは、計算を求められることが多かったかもしれない。それでもせいぜい四則演算を行う程度である。一方で、仕事というのは常に何かの課題に直面していて、その問題を解決し続けていかなければならない。与えられた情報だけを頼りに、ロジックを頭の中で組み立てながら、時にはトライアンドエラーを繰り返しながら最善策を講じていく。それっていうのは、例えば図形の角度を求める方法にも通ずるかもしれない。直線KとLが平行だから、2つの三角形は相似の関係にあるので、ここの角度がMならばNの角度が決まる…と言っているのとそう変わらないように思えてきた。
たしかに数学と違って、世の中には同じ正解がひとつとして存在しない。だが、ひとつの回答を導くプロセスとして、数学的なものの考え方は非常に有用であるに違いない。私が数学から学んだエッセンスはここで言うほど大したものでは全くないが、少しでも実社会に還元されていると願いたい。

 
2018.03.25 T.Y. 

 

次回はテーマ【歯】