ふたりブログ

毎回とあるテーマでつづります

話すヒント

テーマ【笑い】

 

先日、小林秀雄の「考えるヒント」を読んだ。本の中で、特に印象に残った一文がある。「批評は、非難でも主張でもないが、また決して学問でも研究でもないだろう。それは、むしろ生活的教養に属するものだ。」このブログは「生活的教養」と言うには程遠く、「役立たずの教養」にすぎないものだけど、身近な暮らしから感じたことを書いていけたらと思う。
さて、身近なところから「笑い」について取り上げていきたい。そこで思いついたのは芸人、言わずもがな彼らは笑いのプロである。私は芸人さんのラジオをよく聴く。ラジオの中で彼らは、厳しい下積み話であったり、出演した番組の裏側であったり、あとは最近の出来事であったりを面白可笑しく話す。どこかで必ず話を盛り上げる場面があるので、それを先読みしながら聴くのが楽しい。ラジオで耳が慣れてしまったばかりに、つい普段の会話の時にも面白さを求めてしまうのだが、これは私の悪い癖である。
事実、人に話をする際は着地点を事前に考えてる場合のほうが上手くいく。逆に話が面白くない時は、伝えたいエピソードに対して話の組み立てが出来ていないことが多い。その上、相手の反応が鈍いとその場でもろい脚色を加えたがる。それが話の軸をぶらしてしまい、結果的に何が言いたいの?っていうことになってしまう。会話には先読み力が大事だと常々痛感する。
先読み力は話し手だけでなく聞き手にも通ずる。高IQの人たちは、会話の展開が途中で読めてしまうので、話が終わる前にリアクションをしてしまうなんてことをテレビでやっていた。笑点でも、司会者が先にオチを言っちゃうパターンは鉄板である。この二例は極端だけど、聞き手が話の筋を先読みすることはある程度必要だと思う。会話はよくキャッチボールに例えられるが、どの球種でどこに投げるかを予測しておかないと、会話は噛み合わない。
別に、すべての会話に漫才のような掛け合いを求めているわけではない。つまらないよりは面白い方が良い、それだけのことである。一方で、なんでもかんでも語尾に(笑)を付けて相手の同情笑いを誘うようなことは意識的に避けていきたい。


2017.11.26 T.Y.

次回はテーマ【スリッパ】