ふたりブログ

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飛行機

テーマ【飛行機】

 

世界初の有人飛行は1783年10月15日、熱気球を用いてフランスのモンゴルフィエ兄弟が成し遂げた。人類史上に残る偉大な記録だが、こと知名度に関して言えば、アメリカのライト兄弟に、地面と飛行機ほどの差をつけられている。まぁ、ライト兄弟の最初の飛行に比べれば、熱気球の方が遥かに高く飛んだのだろうけど。

個人的にその理由は、「浮く」か「飛ぶ」かの印象の違いだろうと思った。格好良さが段違いじゃないか、と。ところが調べてみると、別の意見が有力なようだ。科学技術史的にみて、2つの"初飛行"は後世へのインパクトが大きく違うらしい。

熱気球を出し抜いて "世界初" のイメージを背負うライトフライヤー号の両翼には、左右逆方向に"ねじり"が入っていて、これにより揚力バランスを調整、機体を傾ける――すなわち方向転換する――ことができるらしい。この機能は現在 "補助翼"――飛行機に乗ったとき、丁度いい位置に座って窓から翼をみてみると、「風受け」のようなものが見える。アレのこと――が担っており、現代の飛行に欠かせないものだが、その技術的アイディアの元は両翼の"ねじり"だという。これはひとつの例に過ぎない。気球やグライダーなどの従来のものに比べて、ライト兄弟1903年12月17日に実施した59秒間の"飛行"は、ほとんど直接的に、現代の飛行技術に繋がっている。

偉大な記録を比較するのは無粋だが、知名度の差は"操縦機能"の差のようだ。それは実用性を持ち、経済的な価値を生み、世界を空でつなげていった。今となっては飛行機での移動は日常だ。LCCなんかは新幹線より安いらしいし、「国内でも陸路より空路」という人も多いみたい……

 

ここまで書くと、かえってフランスの方の肩を持ちたくなってくる。籠にのって大空を旅するなんて、飛行機に乗るより趣があるじゃないか。気球に乗れる観光地はいたるところにあるようだし、ちょっと空でも飛んでこようかな……

 

2017.11.04 T.N.

 

次回はテーマ【オアシス】