コーヒー
テーマ【コーヒー】
お茶の歴史は奈良時代から始まるそうだ。伝わったのは隣の大国から。最初に飲んだ名誉ある日本人は名まで残っておらず、遣唐使ではないかとされている。
比べて日本にコーヒーが上陸したのは江戸時代。鎖国中であるからして、場所は長崎、持ち込んだのはオランダ人。こちらも「最初に飲んだ人」は名まで残っておらず、お茶同様に外交関係職、"通詞"(通訳のことだそうだ)とされている。
1000年ほどの歴史の開きの理由だが、発祥地との地理的な距離だけではないらしい。そもそもコーヒー自体が新しい飲み物だ。起源伝説はいくつかあるが、世界に普及していったのは15世紀中頃、イエメンのイスラム聖者が旅先エチオピア(コーヒー発祥地)で飲んだコーヒーを、「眠気が覚める」として地元のイスラム指導者たちへ紹介したのがはじめの一歩。これをきっかけにイスラム世界でコーヒーが流行、16世紀には東西文化の交差点、トルコ コンスタンティノープルで世界初のコーヒーハウスが開店するに到る。
そうして世界に普及していったコーヒーだけど、歴史のわりに嗜好品としての立位置は上位も上位、すごいとこにいるのでは。極東の島国では街中で「お茶でもするか」といった場合、それが日本茶を指すことはほぼほぼなく、大抵コーヒーチェーン店に入ることになるし、ちょっと前まで陽の沈まなかった西の島国でもコーヒー消費量が紅茶を上回ったなんてニュースも聞いた。
お茶派の自分としては我が国におけるお茶の地位向上を叫びたいが、今日この記事のために、お茶の数万倍コーヒーに詳しくなってしまったのがなんとも皮肉。
2017.09.16 T.N.
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