ふたりブログ

毎回とあるテーマでつづります

ドラえもん

テーマ【ドラえもん

 

ちょっと前のことだけど、部屋の片づけで10数年振りに『ドラえもん』を読んだとき、話のテンポのよさに驚いたのを覚えている。大嵐にあうシーンも、しずちゃんの夢をみるシーンも、悪党との戦闘シーンも、せいぜい見開きの1ページを使うくらいで完了、お話はページをめくるごとに次の場面へと進んでいって、次へ、そのまた次へ。。。

こんな超スピードで進む物語を、どうして子供が易々と理解できたのやら。少し不思議に思ったけれど、考えてみるとあのテンポだからこそ子供向けだったのかもしれない。つまり、「飽きない」。

 大人と違って、子供って、物語を読みながら、一息ついて反芻する時間はいらないんじゃないか。主人公の大きな決断やなんかをみて、「得られることは何だろうか?」とか「自分の人生を省みてどうか?」なんて、わざわざ考える必要はない。子供って物語に「没入」してるから。もう頭の中では主人公そのものなんだから、主人公の経験は自分の経験だ。物語を自分のものにするために、大人が必要とする「間」は、子供には退屈でしかなくって、そんなことよりお話がどんどん展開した方が飽きずに楽しめる。。。

なんて仮説を考えたのだけど、実際のところ、どうだか。テンポの良さって、単にF先生の癖かもしれないし、当時の漫画はそういう流行りだったのかもしれないし。

 

はてさて、仮説の妥当性はともかく、大人が読むものはやっぱり、多少テンポのゆったりした物語がよろしいのでは。一息つけるところがないと、やりかけの作業に戻る気にもならないですし。事実、これを書いている間にまた『ドラえもん』を読んでみて困りました。退屈しないんです。楽しくって。 最後までずっと。

 

2017.09.03 T.N. (『大長編ドラえもん のび太ドラビアンナイト』を読み終えて)

 

次回はテーマ【猫】