ふたりブログ

毎回とあるテーマでつづります

本屋にて

テーマ【読書】

 

本屋をあてもなくふらふらするのが好きだ。目的を挙げるなら情報収集と言ったところか。とある紀伊国屋書店にいったが、入口には映画やドラマとタイアップした本が並べてあって、へーこんな映画やるんだーって知ったり。ビジネス本コーナーへ向かうと、相変わらずカタカナ用語のタイトルが多いなーとか。本屋は基本的に流行りのキーワードが人目につきやすいところに並べてあって、今回はサブスクリプションに関する本が多く置いてあった。たしかに今は音楽だけでなく、洋服や時計から子供向けの知育玩具まで、なんでも定額サービスになってる。*1

一方でジレンマもある。例えば本屋で、ある本に興味を持ったとする。そこでわたしは何をするかというと、スマホAmazonのHPを開き、対象の本を検索して、「無料サンプルを送信」ボタンをクリックする。すると私のKindleにサンプルが配信されて、触りの数ページが無料で読める。そこで気に入ったら購入する。つまり店舗としての本屋にいながら、ネットで本を買うのである。紀伊国屋書店には申し訳なく思ってるが、現在私の中で懺悔の手段は持ち合わせていない。これは極論だが、本買わないときは1時間500円払っても構わないとすら思い始めている。

Kindleを買ってから2年くらい経つ。購入するまではデジタル画面で読むことに抵抗があったが、実際のところスマホの画面と質感が少し違って、Kindleの場合は長時間読んでいても特に疲れない。学生の頃はほとんど文庫と新書しか買わなかったが、電子書籍はどんな分量でもデータに質量(重さ)はないので、本のカタチを気にすることがなくなった。旅行のときにかさばることもないし、出先の宿でWi-Fi繋げば、読みたくなった本をその場でダウンロードできる。以来、私の旅行には欠かせないものになっている。

もちろん、すべての本が電子書籍化されているわけではない。幸い私の興味分野の本はほとんどあまり困らないのだが、そうでないものは今でも本屋で買う。この間「天気の子」を映画館で観てたら、ふと「ライ麦畑でつかまえて」が読みたくなった。調べたらKindleにはなかったので、紀伊国屋書店で購入した。「ライ麦」なんて高校の時に読んで以来だったが、今でも共感するものが多かったことに驚いた。仕事に忙殺されていても、かつての感性は死んでなかったと再認識できて、これはこれでよかったのかなと。

 

2019.08.16 T.Y.

サッカー観戦記 inドイツ(後編)

テーマ【ロッベン

 

※前回の記事はこちら

試合前にスターティングメンバーが発表されたあと、ベンチメンバーがアナウンスされた時、最後にロッベンの名前があがった。彼が試合に出場する可能性がまたひとつ高まった。

相手は原口元気擁するハノーファー96ハノーファーは降格寸前の一方で、バイエルンミュンヘンは優勝争いをしているチーム。想像通りバイエルンワンサイドゲームで、前半2-0を終えて後半を迎えた。しかし後半早々、見せ場がまったくなかったハノーファーがVARでPKを獲得。これを決めて2-1になったからは状況が変わり、試合は硬直した状態が続いていた。その間ロッベンはゴール脇でウォーミングアップをしていて、私は彼をずっと眺めていた。

硬直したゲームを打開すべくバイエルンが切った交代カードは元フランス代表リベリであった。彼はロッベンがウォーミングアップをしている間も特に体を動かさず、ただ試合を見ていただけだった。ロッベンに肩入りしている自分としては憎しリベリと思っていたが、なんとそのリベリが交代早々に点を決めたのだ。選手たちが歓喜している中、一目散にベンチへ向かったのは我らがロッベン。彼としては復帰初戦となるので、おそらく2点差がついたところで出場するという取り決めがあったのだろう。すぐに試合の準備をして、ついにピッチに登場したのだった。スタジアムがロッベンコールで一色になり、私は自分ごとのように感極まってしまった。

そして試合終了間際、絶好の位置でバイエルンフリーキックを得た。すると再びロッベンコールが。「ロッベンに蹴らせろ!」みたいな雰囲気は、この日1番の大歓声であった。それに応えるようにロッベンはボールをセットした。大勢のサポーターが固唾を飲んで見守ったフリーキックであったが、ボールはゴールから大きく逸れてしまい、そのまま試合終了のホイッスル。スタジアムがこの日1番落胆した瞬間であった。

私が観戦した翌週の試合がシーズン最終節であった。ここでリベリとロッベンそれぞれがゴールを決めて勝利に貢献。バイエルンミュンヘンの国内リーグ7連覇に華を添えたのであった。

 

2019.06.30 T.Y.

サッカー観戦記 inドイツ

テーマ【ロッベン

 

今年のGWはドイツへ行ってきた。それまでヨーロッパは計19ヶ国を回っていたのだが、ドイツだけは行ったことがなかった。ヨーロッパ20ヶ国目がドイツという日本人はなかなかいないことだろう。だから次の海外はドイツというのを前々から考えてはいたが、一方でこれといった決め手を欠いていた。

そんな中、昨年の12月にロッベン選手がバイエルンミュンヘンを退団するという報道が出た。これまでもベッカムロナウジーニョ、メッシ、Cロナウドなど数々のスター選手を現地で観戦した私だが、最も好きなサッカー選手であるロッベンは生で見たことがなかった。そこで、彼の最後の勇姿を見に行こうと思い立ち航空券を取ることにした。10連休のGWであったため、今年は本当に値段が高かった。

ロッベンという選手はメッシやCロナウドに匹敵する実力を持っていると個人的に思っているし、同意見の人も少なからずいるだろう。スピードに乗ったドリブルの技術は世界一だし、そこからのカットインシュートでいくつものスーパーゴールを決めてきた。しかし彼の最大の欠点は怪我の多さにある。毎年離脱を繰り返しており、年間を通して活躍したシーズンがほとんどない。そんなロッベンなのだが、私が航空券を取った直後に、例によって怪我で長期離脱してしまった。ただ、バイエルンミュンヘンは他にも有名な選手はたくさんいるので、とりあえず試合のチケットは取ることにした。この時点でロッベンを見られないのは仕方ないと半ば諦めていた。

事態が急転したのは、ちょうど私がドイツに着いた日だと思う。何気なしにバイエルンミュンヘンの公式HPを見たら、なんとロッベンが練習に復帰というニュースが上がっていたのだ。もしかしたらメンバー入りするかもしれない。そして、試合の展開によっては出場してくれるかもしれない。確率は低いがわずかな期待を胸に、当日わたしはアリアンツアリーナスタジアムへ足を運んだのだった。


※続きはこちら

 

2019.06.29 T.Y.

令和最初

テーマ【月】

令和もあっという間に3週間が過ぎようとしている。未だに平成が終わった実感も、令和時代だという実感もあまりない。区切り目の4月30日は海外に旅行していたからだろうか。「平成最後」は街のいたるところにあふれていたが、「令和最初」はそこまで囃し立てて言われていない気もする。

先にもふれたが、GWは海外旅行をしていた。前回の投稿*1はちょうど行きの空港で書いた。見知らぬ地に行くのは楽しみもあるが、多少の不安もある。とりわけ夜は不安がまさることが多い。そんな時、晴れた夜空に月があがっているのを見ると、少し落ち着いた気分になる。以前、アメリカのボストンに8週間ホームステイしていた時、最寄り駅から徒歩20分離れたところに滞在していた。治安は良いとは言えども、夜はやっぱり心細いのだが、月が見えているといくばくかの不安は取り除かれる。ボストン滞在中の満月が綺麗だったことは今でも印象に残っている。

同じ月でも、例えば十五夜は他の月よりも特徴付けられているし、最近ではスーパームーンがよく話題になる。夏目漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したのは本当かどうかはわからないが、たしかに好きな人といる時くらいしか口に出さない台詞なのかもしれない。月に寄せる思いはそれぞれあるだろうが、月そのものは特に変わりない。満月に見えたり、三日月に見えたりするのも、地球の公転によるものだし。つまり、月を見る私たちの5W1Hが違うだけにすぎない。対象物を見たときの、状況や環境が心を動かす。これは旅行とか他の事にも言えることだろう。

ちなみに、今日は令和最初の満月だという。薄雲の向こう側にある月あかりが幻想的である。月並みではあるが、いつもとは違うなと思った。

 

2019.05.19 T.Y.

出国直前

テーマ【雨】

平成最後の日は雨らしい。いまから海外旅行へ向かうのだが、日本は雨だし、行き先も雨らしい。迂闊なことに折りたたみ傘を持ってくるのを忘れてしまった。現地調達で済ませようと思う。

自他ともに認める雨男である。だいたいの旅行先では雨が多い印象が拭えない。今年だけでいうと、年始に行ったポーランドも初日は雨、沖縄に行った時も雨、福島も雨だった。だいたいひとり旅では雨なので、一緒に行く人がいたら、その人のパワーで晴れにしてもらっている。ここ最近のひとり旅で晴れたのはモロッコ。さすがの私でも砂漠に雨を降らせることはなかった。

富山に3年半住んでいたが、日本海側では曇りも晴れだと言っていた。雨や雪が降っていなければ、晴れと言いたくなる気持ちは分からなくもない。たしかに毎日どんよりした天気は精神的にこたえる。引っ越して来て最初に訪れた冬は、高気圧を求めに東京へ行ったこともあった。日本海側の人は忍耐強い傾向があるそうだが、厳しい天候の影響からそう言われるのだろう。

悪天候に限らず旅ではトラブルに遭遇しがちである。今回は最初の飛行機が遅延してしまい、次の飛行機への乗り継ぎ時間が規定の時間を下回ってしまった。ただおかげさまで、最初の飛行機を最前列の良い席に変更してもらったり、係員付き添いで出国手続きまでスムーズに繋いでくれたり、なかなか無い経験をさせてもらった。いかに今の状況を全力で楽しむことができるか。そのためには準備を怠らず、最善の選択を繰り返す。旅に限らず、あらゆる物事に言えることだろう。


2019.04.29 T.Y.

東北へ行った話

テーマ【平成を振り返る】

テレビを点けると識者たちがしきりに平成を振り返っている。それぞれの優劣は他の方たちに譲るとしても、やはり東日本大震災だけは避けては通れないだろう。私は今年の2月に福島、4月に気仙沼へ行った。そこで感じたことをそれぞれ書こうと思う。

知人を訪ねて福島へ行ったのは2月の三連休のことだった。知人とは一緒に東京電力廃炉資料館を見学した。ここは震災で起きてしまった福島の原発事故を振り返り、事故原因と廃炉事業の報告を目的とした施設。事象を説明して、問題点を整理して、根本原因を探り、対策を講じる。いわば始末書のお手本を見せられたようであった。展示内容は非常にわかりやすく本当にオススメである。福島の事故に興味のある方は是非一度立ち寄っていただきたい。

廃炉資料館は福島第一原子力発電所からおよそ10kmほど離れたところにある。辺りは帰宅困難区域にあるので、一般車両は南北に連なる国道6号線のみ通行可能で、交差点の両脇では常に警備員が見張っている。建物は震災当時のままで、片付けすら行われていない状態だった。車のディーラーであったであろうお店も窓ガラスが割られっぱなし、天井板もむき出しで配線が垂れっぱなし。およそ8年が経ったとは思えないほどそのままで驚愕した。知人いわく、人がいないとわかって猿や猪がすみかにしているらしい。この現状は実際に行ってみないと分からなかったことであった。

一方、気仙沼に行ったのは4月7日の日曜日。その日15時に開通した「気仙沼大島大橋」を渡るためだけに、友人と日帰りで行ってきた。気仙沼には行ったのは震災後から数えて3回目。2年前に訪れたときには橋桁が完成したところだった。この橋によって本土と繫がった気仙沼大島は、本土からわずか数百メートルしか離れていないのだが、今まではフェリーでしか行けることが出来なかった。橋を架ける計画は元々あったらしいのだが、決断したきっかけはやはり東日本大震災津波で船が流されてしまい、この東北地方最大の有人島は孤立してしまったのである。

気仙沼大島には休暇村という宿泊施設があり、2年前は実際に泊まりに行った。海鮮が美味しくて、特にワカメが分厚くて印象的だった。今回は日帰りといえど、大島でも何かできればと思ったが、道路が大渋滞に合う。市街地から橋の手前まで本来なら15分で行けるはずなのに、1時間もかかってしまった。帰りの仙台空港最終便に間に合わなくなるため、橋を渡ったらすぐにUターンをしてもう一度橋を渡って戻り、泣く泣く仙台へ向かったのだった。激しい後悔と同時に、周りの関心度の高さが知れた。気仙沼には近いうちにリベンジしたい。

 

2019.04.28 T.Y.

 

 

大型連休を迎えるにあたって

テーマ【近況】

最大10連休のGWに入った。類に漏れず私も10連休だ。それどころか、火曜まで休むつもりである。自分の裁量で休みが取れるということは、比較的恵まれた職場だ。

3月〜4月は人生で1番と言っていいほど、本当によく働いた。とくに今月はほぼ毎日の終業が22時を回っていたほど。吉高由里子主演ドラマ*1の視聴率が高かったことを考えると、世間の流れから逆らってる感は否めない。一方で、働き続けることにそこまでストレスを感じていないのも事実。ある程度自分の好きなように仕事をさせてもらっているのもあるのだろう。家と職場の往復で無味ではあるが、自身では充実した日々を過ごしている。

業務範囲が広いため、他部署のさまざまな人たちと調整をすることが多い。人材を人財と当てる企業もあるように、私も「会社は人」だと思っている。相手がどのような為人なのかを見極めることは常に心がけている。例えばこんなことがあった。「G課長は昨日飲み会行ってたから」という理由で、G課長の緊急依頼を断るW課長がいたから、私がW課長をなだめて承認をお願いしに行ったり。(それはなんと無駄だったことか。)緊急の依頼をしたG課長も、個人的な理由で断ったW課長も、余裕がなくて自分のことしか考えてないのだろう。全体を俯瞰して誰かが横串を刺してあげないといけない。

定常業務と他にプロジェクトも兼務していることが、私をより忙しくさせている。このプロジェクトは私にとって今までにないほどのチャレンジなので、やりがいは非常に大きい。このプロジェクトのヘッドと昨日ばったり会ったので食事をご一緒させていただいた。彼が言ってたなかで印象的だったのが「人たらしであれ」ということ。年齢も国籍も違う多くの人たちを同じ方向に動かすためには必要だと仰っていた。その器の大きさは見習わなければならない。

また、昨日はプロジェクトのキーパーソンともお話する機会があった。その方はすべてのデータ整備を統括している偉い方なので、担当者の自分はその方とこれまではあまり接点がなかった。ものすごくアツい方でして、業界全体を変えたいという強い思いを語ってくれた。現状に文句を言うのではなく、先を見て変化していこうという姿勢にものすごく共感した。先ほどのヘッドもそうであったが、2人とも物事をポジティブに捉えている。だから一緒にお話するだけで、自然とモチベーションが上がる。

先行きの見えない未来に悲観的な意見も散見するが、私個人としては、まだまだこの世の中も捨てたものではないと思っている。

 

2019.04.27 T.Y.