ふたりブログ

毎回とあるテーマでつづります

DENIM GALLERY

テーマ【デニム】


UESというデニム製品を扱っているブランドがあって、私は何年も前からひいきにさせていただいている。そこがJR大阪駅ルクアイーレ8Fに期間限定でブースを出していて、色落ちデニムの展示を行なっている。色落ちデニムは実際の使用者から預かり、着用年数と洗濯回数が記載されたタグを付けて並べてある。先日足を運んでみたが、自分が渡したジーンズも2本飾ってあった。

1本目は、4年前に購入したものである。もともと屋久島へ旅行したかったのだが、台風で流れてしまった。連休中で特にすることがなかったので、以前から気になっていたそのお店へ行った。その時は、レギュラータイプのジーンズを試着して購入した。2本目は、1年前に購入したものである。もともと登山へ行きたかったのだが、これまた台風直撃で中止になった。やはりすることがなかったので、以前もこんなことがあったなと思い、何気なくお店へ行った。店員さんと会話が弾み、気が付いたらスリムタイプのジーンズを試着して購入していた。今はこの2本目をほぼ毎日履いている。色も少しずつ落ちてきて、だんだん自分の足に合ってアタリが出てきて、味わい深くなっていく。1年前に撮った新品の写真と見比べると差ははっきりとわかってきた。それが楽しくなってきてもっと履きこむ。

話はかわるが、先週「日日是好日」という映画を見てきた。主人公がお茶の稽古に24年間通い続けたという内容である。あとで原作の本を読んだのだが、映画の中でも最も印象に残った一節を引用する。「世の中には、『すぐわかるもの』と、『すぐにはわからないもの 』の二種類がある。すぐわかるものは、一度通り過ぎればそれでいい。けれど、すぐにわからないものは、フェリーニの『道』のように何度か行ったり来たりするうちに、後になって少しずつじわじわとわかりだし、別ものに変わっていく。」

このブログも密かに「役立たずの教養」をポリシーにしている部分がある。「すぐに役に立たないこと」も、どこかで「役に立つこと」に変わっていくのだろうか。そのためには少なくとも長い時間をかける必要がありそうだ。ふたりブログもデニムと同じように、長く育てていけたらいいなと思っている。

 

2018.10.28 T.Y.

障がい者サッカー

テーマ【研修】

 

この週末は障がい者サッカーの研修会に参加した。そのことを備忘録として書く。

今は特段サッカーの指導をしているわけでもないが、サッカーとフットサルの指導者資格は持っていて、元々日本サッカーへの関心は高い。また、ブラインドサッカー日本代表の方の講演会を聴いたり、周りで障がい者サッカーの支援をされている方がいたりして、障がい者サッカーにも興味を持っていた。同じサッカーといえども、障がい者サッカーについては知らない部分が多いので、新たな気付きや学びが得られたらと思い今回参加した。

研修は2日間にかけて行われ、内容は講義と実技が半分半分だった。

講義では、一方方向ではなく対話形式で行われたのが印象的であった。最初は、なぜサッカーをするのかについて、グループで理由を書き出し、次になぜ障がい者はサッカーするのかについて、同じように書き出した。そこでふたつを見比べると、ほとんど同じだということを再認識した。さらにそこから発展させて、サッカーをする理由や目的は、テクニカル、フィジカル、心理、社会の4側面に分類できることを学んだ。その他にもいくつかグループディスカッションを通じて自由に意見を出し合った。

実技では、1日目はインストラクターがコーチになって、健常者の中に障がい者をどう巻き込むかのトレーニングをいくつか行った。「サッカーでサッカーを学ぶ」という試みは新鮮だった。2日目はグループごとにプランニングの課題が与えられた。実際に自分たちでトレーニングをオーガナイズして、コーチ役になって実践することによって、難しさや課題が浮き彫りになった。例えば、聴覚障害のある選手がいる場合は、選手の真正面に立ってトレーニングの説明をしてあげたり、ホワイトボードを使ったりして褒めてあげたりとか、そういった配慮が必要であった。

2日間の研修を通じて、個々の相手に合わせた対応をすることにより、サッカーはどなたでも楽しめることがわかった。障がい者という観点でいえば、安全についてはより一層の配慮は求められるだろう。しかし、あくまでもサッカーの技術を教えるという本質は変えずに。障がい者に遠慮するのではなく、全員が積極的に取り組めることが大切である。

また、健常者にも障がい者にも当てはまる共通項というのは、サッカーの本質なのではないかと感じた。たとえば、サッカーをする理由は「楽しいから」「勝ちたいから」「上手くなりたいから」ということに変わりはない。指導においても、基本的なコミュニケーションスキルが必要なのはどちらにも言えることである。

サッカーを通じて障がい者QOLを高めていく活動には、これからも関わっていきたい。

 

2018.10.21 T.Y.

リフティング

テーマ【コツ】

 

 2018W杯以来、サッカーに興味を持っている。自分でやってみたくなって、先週、サッカーボールを買った。リフティングに挑戦してみると、2回できた。そんな人間がいるのかと思う人もいるかもしれないが、世の中運動の苦手なタイプは存在するものである。彼らは多くの場合、苦手なことを積極的にやりはしないので、貴方たちも彼らが運動する様子を見る機会はない。しかし仮にそんな機会があったら、リフティングが2回こっきりしかできない人間もいることに気付くだろう。最初に蹴って、もう1度ボールに触るのが精一杯なのだ。

 20分の練習で最高4回という記録に伸びたとはいえ、まだまだ上達したい。その後の日々でぼんやりと考えて、思い至ったことがある。得意なギターを弾くように*1、リフティングができないだろうか、と。感覚的に、近しいものを感じたのである。

 ギターは、両手で弾く。弦を押える手と、弦をはじく手で役割分担をするわけだが、『ギターが弾けます』と人に言えるようになるには、弦を押える左手の動きが重要に思う。始めたばかりの頃は力いっぱいに弦をおさえて、指は痛いし、変なところに力が入っているせいで、腕も肩も、関係ないところまで痛くなったものだ。それでも、練習を繰り返すうち、力の入れ方というものがわかってくる。曲の中のあるべきリズムで、押えるべきポイントを、ふさわしい力で押える。余計な力を入れることもなくなって、長くギターを弾いても苦痛でなくなってくる。"力を入れる"という表現は的確ではないかもしれないが、要所(ツボ)を押さえるというか、所謂、"コツ"というのが、どんな分野にでもあるのだと思う。

 ギターの弦を押えるように、リズムを持って、蹴るべき場所を、ふさわしい力で蹴れば、ボールは真上にあがってくれるんじゃないだろうか。そんなことを考えながら、今日、1週間ぶりにリフティングに挑戦した。しばらく練習して、一番長く続いたのが 8回だった。コツが掴めたとは思えないが、うまく蹴れたと実感できるタイミングが何度かあって、楽しい。先週のブログにもあったが、量はひとりでに質になる。いずれコツを掴めるように、いろんなことを、コツコツと続けられたらな、と思う次第です。

 

2018.10.20 T.N.

*1:私は学生時代に始めて以来、今でもしばしばギターを弾く

50本目の決意表明

テーマ【再始動】


ブログを始めたのは1年前の8月末である。互いにテーマを出し合って隔週で書く「リレー」スタイルの更新は、これまでは概ね上手くやっていたと思う。一方で、テーマそのものに悩まされることもあり、最終的にはテーマで内容が書けずに更新が止まるという、本末転倒の結果を生んでしまった。そこで先日、都内某所に集まり今後の進め方を決めたので、今回はそのことについて書いていく。

始めたそもそもきっかけは、何かアウトプットしていきたいというような漠然としたものであった。途中から目的をちゃんと考えて、「自己表現の収率を上げるために正しい文章術を身に付けること」を目標にした。その目標は変えずにやっていく。

2年目は、書き手がテーマを自由に設定していいことにした。ただし、キュレーションサイトのような情報を収集してまとめるだけというのはNG。自分の言いたいことをひとつは述べるようにする。あくまでも自分の思いを言葉で表現することに主眼を置きたいからだ。そして、隔週更新から毎週更新を目指していくことで量質転化を図りたい。

一度歩みを止めてしまうと、次に動き出すまではなかなか根気がいるものである。それを今回の件で改めて痛感した。いつしかのブログでも書いたが、やはり発信をやめてはいけない。心機一転、新たな気持ちで「ふたりブログ」を充実させていきたい所存であります。

 

2018.10.14 T.Y.

アフリカ旅行

テーマ【アフリカ旅行】

 

 夏休み、世界最貧国のひとつ、マラウイ共和国に行ってきた。旅行記としては、体験した色々のことを書くべきだが、それは友人への土産話にするとして、このブログでは、もう少し個人的な事を書こうと思う。

 高校生のときにボスニアへ行って以来、海外旅行はほぼ10年ぶりだ。どちらも現地にツテがあってのことだけど、成田を出て現地に到着するまでは自分一人。前回・今回共に日本からの直行便はないので、異国で乗り換えをすることになる。人生2度目の"飛行機乗り換え"である今回も非常に緊張したが、何故だか高校時代とは少し違った、不安に似た感覚があった。この不安のような気持ちは現地に着いてからも消えず、その正体は何なのか、旅行中に考えていた。幸い8月のマラウイの夜は長く、かつ日が暮れると外に出られない*1ため、考える時間はたくさんあった。

 考えた末の結論は、"もう甘えちゃいけない"という気持ちがあったこと。高校時代は、いわばまだ子どもだった。わからないこと、できないことは現地の人に助けてもらえばいいと思っていたし、事実みなそうしてくれた。買いたいものは指で選んで、「これ欲しいんですけど」と日本語で伝えて笑顔。道に迷ったら地図を広げて行きたいところを指差して、笑顔。助けてもらったら、「ありがとう。Thank you 」で笑顔。言葉は通じなくともなんとかなる。それは経験した事実だし、語学を理由に海外旅行へ二の足を踏んでしまうタイプの人には声を大にして伝えたい。しかし、である。

 しかし、もう大人だ。興味を持って訪ねた国で、現地の言葉を全く話せないのはリスペクトが欠けていないか、"どうにかなる"という程度で満足なのか、本当は伝えたいことがあるんじゃないか、相手の言ってることを理解したいんじゃないか……そんな想いのせいで、大人になってからの方が不安を感じる、ということになったのだと思う。今回の経験をよいきっかけに、世界の共通語たる英語を学びなおして、もう一度海外旅行に行きたいものである。今度は、自信を持って。

 

 

2018.09.09 T.N.

 

*1:治安の問題もあるが、それ以上にマラリアを媒介するシマダラカの活動時間になることと、街灯がないので暗くて何もできない、という理由が大きい

石鹸

テーマ【石鹸】

 

 近頃は公共の場の石鹸といったら液体石鹸で、固形の石鹸は見かけない。小中学校の頃は、蛇口のところにミカンの網のようなものが引っ掛けられていて、その中に固形の石鹸が1つないしは2つ入っていた。そんな事を思い出して、固形石鹸について調べてみると、なかなか興味深いことを知ることができた。

 ググってみると、僕が小学生時代に使っていたような"共用の固形石鹸"の衛生状態について書かれた記事が目に付いた。不特定多数の人間が触れること、水で濡れた状態で保管されること等が良くないようだ。医療関係の情報サイトを読む限りリスクは特別大きくないように見える*1が、"感染の可能性あり"という説が存在する限り、液体石鹸に移行してしまえば良い気がする。ところがそうすると、今度はコストとゴミ問題にぶつかってしまう。液体石鹸の方が高くてゴミが出るのである。コストに関しては、未来を担う子どもたちの健康のためと思えば、多少贅沢に税金を使ってもいいと思うが、ゴミの増大はまた新たな社会問題である。どうしたものか。

 と、さらに調べて固体石鹸でも液体石鹸でもない第三の選択肢を見つけた。アルコール消毒液である。こちらのページ*2に書かれているが、アメリカ疾病予防管理センターでも効果が高く評価されているとのこと。しかしその理由がおもしろい。すごくくだけた表現をすると『手洗いって1分くらいしないと意味ないのに、実際お医者さんだって10秒くらいしかしないよね?ならアルコール消毒の方が一発で効くじゃん』という感じ(手洗い徹底論に向かないところが合理主義の国らしい)。この論法でいけばまさに子どもにピッタリだ。長々と手洗いさせる必要もない。

 ところがアルコール消毒液となると液体石鹸よりまたはるかにコストがかかりそう……と考えてまたもググったところ、ずいぶん前からアルコールでの手指消毒を導入されている小学校がちゃんとあるようです*3。自分が小学生だったころよりも、世の中の衛生意識が高くなっているということを実感しました。皆様も健康にはお気をつけて。

 

2018.08.05 T.N.

 

次回はテーマ【アフリカ滞在記】 ※ブログ開設1周年記念。前後編に分けて公開予定

語学留学にて

テーマ【禁止】


「奥さん…普通のキノコと立派なキノコ、味がいいのはどっち」

スーパーで買い物をしている主婦の背後から、耳元でこう男性がささやく。「どっちも一緒よ」と答える主婦の手を男が強引に取り、「こっちだ」と言って自分の方へと引き寄せる。「立派…」と主婦が漏らした手の先には、ひとつのブナシメジが握られていた…


かつて語学留学をしていたことがある。ボストンに8週間、ホームステイをしながら現地の語学学校に通って英語を学んだ。学校ではビジネスコースというのに所属していた。それまで英語は海外旅行でしか使ったことのなかった私にとって、さながら大学の経済学部のようなレベルの高い講義には、ついていくのが精一杯だった。

中でも、毎週木曜日にビジネスに関するプレゼンを発表する授業があったのだが、私はこれが一番苦手だった。日本語ですらまともにプレゼンなんかしてこなかったのに、ましてや英語である。毎週木曜日が憂鬱だった記憶しかない。

ある週のプレゼンのお題は、CMであった。自分の国に関係するCMをひとつ取り上げてそれをYouTubeで流しながら、Target marketだとか、Key messageを自分で考えて紹介するという内容。私は何にしようか色々探した結果、前述のキノコのCMを選ぶことにした。Target Marketはスーパーで買い物をする主婦層だし、Key messageも他社のキノコよりも我が社のキノコは立派であるということを明確にしていて、なによりもインパクトがあって伝わりやすい。たしかこのようなことをプレゼンで話そうと用意していた。

いよいよ木曜日になり、プレゼンの時間がやってきた。私の出番となり、YouTubeでこのキノコのCMを検索して皆の前で流した。するとその瞬間、先生から「Stop‼︎」と制されてしまう。内容そっちのけで私は全く気が付いていなかったのだが、なぜならその動画のタイトルにはこう書いてあったからだ。

Hokuto CM - Japanese banned Erotic Commercial

翌週、プレゼンをやり直したことはいうまでもない。その時はビールのCM*1を取り上げて事なきを得たのだった。

 

2018.07.30 T.Y.

 

次回はテーマ【石鹸】